信用二階建て投資の意味とそのリスク
信用取引の中でもハイリスクとされるのがこの二階建てという投資法です。ある銘柄を現物株で購入し、さらに、その現物株を代用有価所見として担保にして、また同じ銘柄を購入するという方法です。さらに、投資資金としての元本を借金でまかなう場合を三階建てと呼びます。ここまでくるとまさに投機と呼べます。
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信用二階建てのリスクとは?
信用取引における二階建ては原則としてよっぽどの自信がない限りは行うべきではないと私は考えています。まずは、そのリスクを例を交えて説明していきます。
ある銘柄Aは現在株価500円で推移しています。この株式をあなたは300万円の元本を元に、買いつけます。(6000株)。その後、この銘柄Aを担保(代用有価証券)として、同じ銘柄Aを購入します。(300万円×0.8(代用掛目)÷0.3(委託保証金率)=800万円。800万円÷500円=16000株)
この場合、あなたのポートフォリオは以下のようになります。
銘柄A 株価@500円
現物:6000株(300万円相当)
信用:16000株(800万円相当)
合計:22000株(1100万円相当)
証拠金維持率:30%
リスク1:単純なレバレッジによるリスク
まず、リスクの一つを挙げるとすれば単純にレバレッジが高いという点が挙げられます。投資金額が300万円であるのに対して投資している資金は1100万円です。つまり3.66倍ものレバレッジがかかっていることになります。仮にこの銘柄が平均して1日に±3%の値動きがあるとした場合、投資元本費では、1日に約10%(30万円)もの値動きが生じるリスクがあると言う点です。
リスク2:維持率の面でのリスク
もう一つの大きなリスクは維持率への影響です。信用取引における最低証拠金維持率の計算には、投資対象および、元本の変動も計算されます。
仮に、この銘柄Aが5%値下がりした場合を想定してみます。
銘柄A 株価@500円 → @475円
現物:6000株(300万円相当) → 285万円相当
信用:16000株(800万円相当) → 760万円相当
合計:22000株(1100万円相当) → 1045万円相当
この場合は、単純に損失が55万円生じたという計算です。ただし、この場合の計算はそれで終りません。証拠金維持率の計算が残っています。
もともと、この投資の元本は300万円でした。これを有価証券に直した事で代用掛目による計算で、240万円になっています。現在は5%の値下がりということで55万円の赤字が生じています。
この赤字は投資元本(証拠金)から差し引かれることになっています。つまり、240万円-55万円=185万円がこの証拠金となるわけです。その上で現在の信用取引としては投資額は760万円ですので、維持率は24.34%にまで下落していることになるのです。
仮に値下がり率が10%なら、17.56%です。この時点で追証発生となります。
現物株投資を経験されている方でしたら、株が短い間に10%ほど変動するのはよく見る光景かと思います。こうしたリスクが信用二階建てにはあるのです。
さらにすごい!信用三階建て
さらに、上には信用三階建てという取引があります。これは、株の買い付け代金を借金して用立てした上で現物株を購入し、その株を代用有価証券(担保)として信用買いをするというものです。信用二階建てを超えるリスクがあり、取引としては無謀。購入代金がすべて借金ならレバレッジ無限大ということになります。
まあ、普通に考えれば、借金して株という時点でリスクが高すぎるのですが・・・。また、投資とは言えず、投機の部類に入りますね。
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