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踏み上げと信用取引

踏み上げは信用取引の中でも最もメジャーな相場現象の一つです。空売りをしている投資家が損失に耐え切れずに売り建て玉を買い戻す連鎖により買い戻しが買戻しを呼んで相場がより高くなるという現象です。


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踏み上げとは何か?

信用取引において売り方(空売りをしている投資家)が買い戻すことを「踏む」と呼びます。空売りを決済するには「買戻し」という反対売買が基本になります。この際、株を買うのは市場から買うことになります。

売りが売りを呼ぶ、買いが買いを呼ぶという展開がありますが、踏み上げというのはもっとシビアです。

踏み上げの流れを簡単に書くと下記の様な形となります。

  1. 何らかの理由で株価が跳ねる(上昇する)
  2. 空売り投資家Aが損失に耐えきらず踏む(買い戻しをする)
  3. 買い戻しにより株価が上昇する。別の空売り投資家Bの含み損が増える
  4. 投資家Bが損切りの買い戻し、さに株価し上昇
  5. 空売り投資家C、D、E、F、Gが耐えきらずに買い戻し
  6. ループ
  7. 株価が大きく上昇

こんな感じとなります。いわゆる仕手筋とよばれるような相場を短期に動かすことを考えている投資家やグループなどが(1)に当たる急騰を演出して踏み上げをさせようとするようなケースもあります。他にも、高額の逆日歩が付いて売り方にとって不利な状況となることなども要因となる場合があります。

 

踏み上げが起こりやすい銘柄とは?

踏み上げに発展する可能性が高い条件としては以下のようなものが挙げられます。

・信用倍率(貸借倍率)が1倍以下(空売りの方が信用買いよりも大きい)
・空売りの残高が発行済株式総数の1%以上を占めている
・浮動株が少ない
逆日歩が発生している(または発生しそう)
・時価総額が低い(値動きが軽い)

以上のような銘柄が踏み上げ相場に発展しやすい銘柄の特徴といえるでしょう。これになんらかの「材料」でもあれば一気に相場に火がつく可能性もあります。また、上記を必ず満たさなければならないというわけではありませんし、全て満たしていても株価が上がらずにズルズルと下がり続けるなんてことも十分にありえますので注意してください。

貸借倍率が1倍以下というのは、空売りのほうが、信用買いをしている数よりも多いということです。これはそうなるだけの理由があるケースが多いということを留意しておく必要があります。つまり、多くの投資家がこの会社の株価が下がると踏んでいるわけです。

なので、こうした踏み上げを狙って買うという戦略は必ずしも成功するというではなく、むしろ逆張り的な側面が強いです。

 

逆日歩に売りなし、逆日歩に買いなし

こんな格言もあります。踏み上げについては前述の通り逆日歩の発生などが大きく影響することもあります。

逆日歩に売りなし
・・・売り手にとって厳しい状況なので、売り手は買い戻しに動きやすく逆日歩が付くようjな銘柄は株価が上がるよ。

逆日歩に買いなし
・・・逆日歩が付くくらい多くの投資家が売りと思っているような銘柄は長期的には下落するよ。

といったように、どちらにしても「もっとも」な理由が付きます。前者は短期的、後者は長期的に相場を見ているともいえますが、逆日歩は1日で消滅するようなこともあり、それにより急落するかもしれません。逆日歩+踏み上げを狙って信用買いを入れるような投資戦略は必ずしも有効とは言えないと私は考えます。

 

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