貸借倍率
貸借倍率(たいしゃくばいりつ)とは、信用取引における買い残と売り残の数量の残高比を倍率化したものです。1倍より大きい場合であれば買い残>売り残であり、1倍より小さい場合売り残>買い残となっています。
一般的には貸借倍率は1倍以上であるのが普通です。
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貸借倍率による相場分析について
貸借倍率はその数字の変動により日々の買い手・売り手の動向をみるのによく用いられます。貸借倍率というものは「信用残」の比率ですので、信用残の動向を見るのと似ているのですが、こちらの場合、相対的にどのくらい、買い優勢になったのか売り優勢になったのかを見ることができます。
たとえば、昨日までの信用倍率は1.2倍だったのに、今日には0.85倍にまでなったということは、今日の売買では多くの空売り注文が入ったのか、買い方(買いポジションの投資家)が決済して買い残が減少したのかのどちらかということになります。
このように、貸借倍率の変化は、相場参加者の市場心理を映す鏡としても利用されます。
ちなみに、貸借倍率の計算は
買い残÷売り残=貸借倍率
と計算されます。
ちなみに、貸借倍率は1倍以上の水準(信用買いが信用売り(空売り)よりも多い)という状況が一般的です。逆に1倍を割っている銘柄の場合には取組妙味がでてきたなどといわれることがあります。
これは、空売りというものがその性質上「将来的な買戻しによる潜在的買い圧力」であるということと、貸借倍率が1倍を割るということは「買い残<売り残」でるため「逆日歩」が発生する可能性があるということです。
貸借倍率による「取り組み妙味」とはどんなものか?
よく相場関係のニュースなどで「取組妙味から○○」といった会話などがされることがあります。
これは、空売りをしている人が増加することによる、「踏み上げ」などが起こりやすいという状況を示します。
踏み上げというのは、空売りの買い戻しによる価格上昇を指します。空売りの買戻しが買い戻しを呼ぶことによりおこる株価上昇のスパイラルです。
特に仕手筋などと呼ばれる短期資金がこうした貸借倍率が低い銘柄に投機資金を注ぎ込むこともあります。(短期的に株価を急騰させることで、空売りをしている投資家の損切り返済注文をださせること)
しかしながら、これがいつ起こるかはわかりません。また、空売りが増えているのにはそれなりの理由がある場合も多いです。(多くの投資家はその株価が下がると予想している!)
貸借倍率はあくまでも売買の参考程度にしておくとよいでしょう。
貸借倍率が1倍以下の銘柄には何らかの爆弾(業績下方修正など)があるこも多いため、「貸借倍率が1倍以下=買い」という式が必ず成立するわけではありません。
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