信用取引の金利コストで証券会社を比較
信用取引における金利・貸し株料(品貸料)は信用取引での買い建て、売り建てにおいて、ポジションを持っている間ずっとかかるコストになります。意外と証券会社による差がある部分です。
また、信用取引の場合はどうしても取引金額が大きくなるのでほんの数%の違いでも1ヵ月、2ヶ月とポジションを持ち続けると大きな金額(コスト)となるので注意が必要です。
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信用金利や貸株料とは何か?
信用取引という取引は証券会社(証券金融会社)から信用買いをするための資金(お金)や、空売りをするための株券を借りて行う取引です。
金融取引では何かを「借りる」場合には必ずその手数料として「金利」が発生します。信用取引の場合は、買い付け時には「信用金利」がかかり、空売りの際には「貸株料」という金利がかかります。ちなみに、信用金利と貸株料では通常貸株料の方が安く設定されています。
信用取引における金利・貸株料について
信用取引の金利や貸株料は信用取引のポジション(建て玉)を維持するために必要なコストです。このコストは維持した期間に応じてかかるものなっていますので、以下のような特徴があります。
(1):短期投資家の場合はほとんどの無意味
例えば、デイトレードの場合1日分の金利となります。信用金利が仮に3%の場合、1日に直すと0.0082%(100万円の投資をしていた場合は82円です。このような投資をする場合には、当然売買手数料のほうが大きくなりますので、信用取引の金利や貸株料はほとんど無視できます。
そのため、信用取引のコストで証券会社を比較する場合は「手数料比較」を重視してください。
(2):ポジションを長く維持する投資家には非常に大きな負担に!
(1)で短期投資家の場合は信用金利や貸株料は無視できるとしましたが、逆を言えば長く持ってしまう投資家の場合には非常に大きな負担となります。仮に(1)の例で信用期限である6ヶ月ポジションを持ったままだったとします。この場合の金利は100万円×(3%÷2)=1万5千円となります。
信用取引の金利・貸株料で証券会社を比較・ランキング
上記で挙げたように、信用取引における信用金利や貸株料は中長期信用取引のポジションを抱えてしまうと投資家には大きな影響を与えます。
私は基本的に信用取引はごく短期で投資するもんだと思っています。金利コストがかかる以上はインカムゲインも重視する中長期の投資は現物株投資をするべきだからです。ですから、そのバランスを考えた上で証券会社を比較していきましょう。
なお、信用金利・貸株料は「制度信用取引」を基準にランキングしています。
ちなみに、金利を甘く見てはいけません。信用取引は現物取引よりも多額の売買をする傾向がありますので、ほんのわずかな違いでもかなりのコストになります。
1日 | 5日 | 10日 | 30日 | |
信用金利2.3% | 630円 | 3150円 | 6301円 | 18904円 |
信用金利3.0% | 821円 | 4109円 | 8219円 | 24657円 |
差額 | 191円 | 959円 | 1918円 | 5753円 |
上の表は、信用金利が異なる二つの証券会社による1000万円分の買い建て玉にかかる金利を示したものです。
金利2.3%と金利3.0%とではあまり変わらないように思えますが、1カ月もたつと5000円以上の金利の差がでてくるのです。信用取引の取引手数料が格安化している現在ですが、金利が安いことのメリットが際立つかと思います。
下記は、ネット証券における信用金利(買い方金利、貸株料)の安い会社順にランキングしたものです。太字は最安値の金利水準。N/Aはサービスの提供なしを意味しています。
証券会社名 | 信用金利・貸株料 |
コメント・評価 | ||||
GMOクリック証券 |
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信用コスト総合トータルという面で考えれば激安といえる水準です。買い方金利も2.75%とネット証券の中でも安い水準となっています。ただし、一般信用の金利はやや高めとなっています。 |
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ライブスター証券 |
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信用取引のトータルコスト(手数料+金利)で考えるとナンバーワンといえるのが、ライブスター証券。買い方金利2.3%はネット証券最安値。手数料も一律84円と激安です。コスト重視の投資家ならライブスター証券がおすすめです。 |
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SMBC日興証券 |
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SMBC日興証券は金利もランキング2位ですが、さらに取引手数料が「無料」となっているすごい証券会社です。 |
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岡三オンライン証券 |
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岡三オンライン証券は手数料・金利もほどほどに安いです。トレードツールが人気。 |
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SBI証券 |
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手数料・金利もほどほどに安く、投資情報、ツールなども充実しています。 |
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楽天証券 |
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手数料・金利もほどほどに安く、投資情報、ツールなども充実しています。 |
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カブドットコム証券 |
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金利面はやや高め。ただし、取引額や建て玉に応じて金利が割引になるサービスを提供しています。大口投資家優遇。 |
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松井証券 |
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金利面は高め。制度信用、一般信用(無期限信用取引)いずれも大手ネット証券の中でも高め。 |
注意)調査日時点での数字となっています。証券各社の判断により当然変更はありますので、正確な数字については各公式ホームページで必ずご確認下さい。
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